辻さんに聞きました「辻さんの小さいころの話」
[コンコント]
辻さんは小さいころ、どんなお子さんだったのですか?
[辻さん]
とにかく家の手伝いをよくしてた。
小学1年生のときから田んぼに行ったり山に行ったりして、
家の手伝いをよくしてた。
中学校に行っても学校に行きながら、田んぼの手伝いを
いっぱいした。
そういうお子さんでした。(笑)
[コンコント]
お父さんも木地師だったんですよね?
[辻さん]
そうや。
[コンコント]
いくつぐらいから木地師の仕事をやり始めたのですか?
[辻さん]
小学生のときからオヤジのあとを継がないかんと思っていた。
木地さえ挽ければいいんだと、オヤジにもばあさんにも
言われていたし。
中学校を卒業したら木地師になるという気持ちでいた。
中学1年の9月から学校の選択科目で木地の授業を受けてたんや。
[コンコント]
そんな早くから木地を挽く勉強をしていたんですね!
[辻さん]
そうや。
12歳で木地師の仲間入りしたということになるわけや。
卒業するころにはそこそこ木地を挽きけるようになっていた。
上田先生という加飾挽きの名工に学校で教えてもらっていた。
ひとづてにその上田先生が自分のことを、腕がよく、
上達が早いと言っていたことを聞き、ものすごいうれしかった。
[コンコント]
昔から素質があったんですね?
[辻さん]
いやいや、それはわからんけど、
褒め言葉をもらってうれしかった。(笑)
[コンコント]
お父さんからも木地の挽き方を習ったりしたのですか?
[辻さん]
中学卒業してからはオヤジといっしょに
木地師としてやるようになったわけだが、
あんまりこういうふうにやるとうまく挽けるとか、
こんなふうに鉋(かんな)曲げるといいとか
オヤジに教えてもらった覚えがないんや。
「なんだかんだ言わずに見とれ!」と
言われた覚えはある。(笑)
[コンコント]
そうですか。
習うより慣れろというわけですね。
[辻さん]
そうやそうや。
〜つづく〜